公正証書遺言の作成意義や相続へのご希望を打合せました。

2021/11/25

ブログ

千葉県の野田市の行政書士事務所　寿々です。

ブログ「11月15日　公正証書遺言の作成サポートのご依頼をいただきました。」
の続きです。

お客様からのご質問で、遺言書を用意しなかった場合と用意した場合の違いを知りたいとの事でした。

遺言書を用意しなかった場合
民法の規定により、法定相続人を確定して、その規定に合わせて財産を分配していきます。
今回の場合、お客様には配偶者やお子様はいらっしゃいません。
また、親御様も既に他界されています。
この場合、相続人は兄弟姉妹（法律用語では「ていけいしまい」と読みます）となり、相続財産を人数で按分する事にないます。

遺言書を用意した場合
お客様のご意向が相続内容に反映されますので、ご希望通りの相続内容になります（相続後に遺留分を主張された場合を除く）

このような説明をしました。
そこで「遺留分って何？」との質問です。当然そこが気になりますよね。

遺留分とは。
被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限保障されている相続分です。
子どもや配偶者は被相続人が亡くなったときに財産を相続できる権利を持っています。
しかし、遺言によって一部の相続人などに遺産のすべてを贈られたりした場合でも、一定の範囲の相続人は、主張すれば必ず一定の財産が取得できます。

ちなみに、遺留分は相続開始する前に放棄する事が可能です。
相続放棄は相続が発生してからでないと放棄する事はできません。

（双方ともに家庭裁判所で手続きが必要）

このような説明をしました。
お客様の兄弟姉妹は本人様を除いて3名いらっしゃるとの事。
ご意向は一人のご兄弟に全てを相続させて、他の2名には相続させたくないとのご希望がありました。

このようなご希望であれば、遺言書を作成する意義があります。
兄弟姉妹は「遺留分を主張できない」ので、遺言書で一人のご兄弟に全て相続させる事が可能となります。

むしろ遺言書を作成しないと他の兄弟姉妹が法定相続人になりますので、お客様のご希望を実現できなくなってしまうのです。

この説明をさせていただいたときに、「そうだったのか、なおさら遺言書作成を依頼した意味がある」と喜んでいただけました。

そして安堵の表情を浮かべられたのが印象的でした。きっと「何かのご事情」があるのでしょうね。

お客様の相続人に対するご希望が把握できましたので、相続財産の確認をさせていただきました。
このご希望内容を基に、遺言書の案文を作成していきたいと思います。

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